いじめ。―story―
「ずっとこれでいいのかって悩んでた。今もあたし、前咲の事は嫌いだよ。だけど…落ち着かなかった。心の中であたしは、謝る機会を探してたんだ―」
あたしは状況がつかめなかった。
刻一刻と、変わる状況。
「…もういい!!勝手にすれば!?」
美咲ちゃんはそう言って教室を出て行った。
…もう学校には来ない。
そう言い残して。
「…ごめん。こんなことして…ごめんね。」
「アイ…ううん。こっちこそごめんね」
…あと、
「玲菜ちゃん」
「え?」
「ありがとう」
あたしの言葉に、玲菜ちゃんは優しく笑った。
昨日まで、悪魔にしか見えなかったクラスメート達。
誰の言葉も信じられなかった今まで。
だけど今、不思議なんだ。
すべて信じられるし、受け入れられる。