弱く儚いモノ達へ
   




ポツポツ。
雨が降り出す。
砂浜の荷物を木下へと運びいれる。



「なぁ。章大どこいってん?」
   


姿の見えない章大を気にする忠義。


「こんな忙しい時にどこに消えてん。」
   

両手いっぱいの荷物持つすばる。


「さっきまでおったで。そこに。」
   

船の方向を指差す隆平。



「おれひんやん。」

「やからさっきまでの話や。」
   


呆れた顔の博貴慌てて言い返す隆平。


「そんなことより今は手を動かせや。」
   

木下に荷物を運び入れる亮。



「雨も降ってることやし。すぐ戻ってくるやろう。なぁ。信五?」
   


さっきから黙っている信五に声をかける裕。


「う…ん…。」
   


一瞬顔色を変える信五。






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