トリップ

夏の終わり


・・・

あの夏祭りからあっという間に時が過ぎ、学校も始まった。まだ蝉の声が聞こえているせいか、夏を思い出させる。

(ハプニングとか、行事の日は事は遅く進むのに)

これはまさか、小説の中でも日にちを早送りにして飛ばしているところがあったから?

多分そうだ、とキャプテンは思いながら制服に着替える。

「キリちゃーん」

エリカの呼ぶ声がする。待っていてくれたのだろう。
窓から顔を出すと彼女が手を振っている。可愛い制服がとても似合っている、と1人でうなづいた。

(シュンリちゃんとエリカちゃんが並んだら、可愛いやろうなぁ・・・)

溜め息を漏らして外に出ると、2人は学校に向かった。

途中、衿の大きい服を着た男とすれ違う。痩せていて、写真を手にあちこちを眺めていた。
見覚えのある写真を思い出しつつも、数歩で「まあいいか」と駆け出す。

学校を考えると、キャプテンは息を吐いた。




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