トリップ
「うちが来たら邪魔になるって?」
「ちっ・・・違いますよ!」
あの人は、と言いながらジュマは区切るように、そして呼吸しながら言う。
「あなたを・・・巻き込みたくないんだと、思います。でなきゃ、あんなに、必死になんか、なりませんよ」
エリカはただそれを聞いているだけだった。本当にそうなのかと思いながら駆ける。秋乃がスピードを落として、2人の間に入った。
「悪いけど、アンタが来たって何にもならないよ」
突き刺さるというよりは、アドバイスをくれるような音調だった。
「見る限り、アンタはアイツが好きで助けたいと思ってんだろーけど、来られるとむしろ邪魔。支えにもなりやしないから。だから」
「そんなんじゃないです」
驚いたように秋乃はエリカを見た。こんな時に、エリカは落ち着いて冷静に本音を初めて口に出した。自分がそう言う行動を取る意味を、初めて他人に伝えた。
「うちは、貫きたいだけです」
焦りも淀みも無い、自然な声がそこにはあった。
「確かに、夏祭りのときは好きってのもあったけど、そんだけじゃないです」
疲れてきて息が切れそうになっても、声だけは自信を持って出した。
「1つの欠点で全部認められなくなった・・・いい所だってあるのに認めてもらえない・・・。ずっとそれで傷ついてる人、何度も見てきました」