トリップ

「兄貴」

キャプテンは不意に、部屋を出ようとするシンゴに声をかけた。

「何?」
「あのさ・・・友達が音信不通になったら、なにが起こっとると思う?」
「さぁな。用事があったとか、風呂に入っとるか、それくらいかな」
「ふぅん・・・」

素っ気なく呟くと、キャプテンは何も言わず「じゃ、おやすみ」と言って、何も考えずに、不安を取り除くように布団を頭から被った。




――――



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