トリップ

銃声が鳴り響き、男の首から血が飛ぶ。
リクは相変わらず余裕の表情で男を見る。
倒れた男に近寄り、死亡を確認すると、いち早くエリカの元へ駆け寄っていった。

顔を見てみると、唇が紫色に変色している。
リクは、まずいな・・・と思うと、エリカを抱きかかえてある所に連れて行った。
「守り屋に『怪我して欲しくない』なんて、気遣った結果がこれだ。」
そう言いながら、人通りの無い道を歩いて行った。

・・・とある公民館・・・・・

街から500メートルほど離れた所で、リクはある公民館に入った。
公民館の割には広い施設だが、ここは元々使われていなかったところだったし、広いから使いやすかった。
この公民館は、リクたち・・・つまり、守り屋の巣穴。彼らの間では『守り屋の集いの場』と呼ばれている。

公民館に入ると、この間ここに来た身寄りの無い子供が3人くらい駆け寄ってきた。

「リクお帰りー!」
「今日ね、麻痺薬作りに成功したんだー!」

今は取り合いずある程度の教育と毒作りを教えて守り屋の仕事に役立つようにするしかない身無し子。親のいない者もいれば、捨てられた者もいる。
簡単な教育は大人達で教えてやっているので、彼らが普通の世界で生きる事を望むなら、それはそれでいい。
他の業者と違い、ここは唯一、皆が身内のように過ごす所。仲間には、子供から大人、プロもいる。そのためか、他の業者から協力してほしいと頼まれる事があるのだ。

「あれ?誰その子。」
「依頼人だ。すこし、毒に侵されてる。」

そういうと、リクは治療室のような薬品の沢山置いてある部屋にはいると、エリカを白いベットに寝かせ、布団を被せる。


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