花には水を



「灯」



足が前に出たとき、後ろから瑞穂が私を呼んだ。



首を軽く向けるように、瑞穂を見るとその顔は少し切なそうに微笑んで私を見ていた。




“ ガンバレ ”



声として、瑞穂は言葉を出さなかった。




瑞穂の優しさが胸をくすぐる。




私も小さく微笑み返して、教室から出た。






木立連が、少し遠くにいて私を見ている。





ついてこい、そう言っているようで私もそれに大人しく従う。






何人分も離れているこの距離。





少し、切なく感じる。





でもしかた無いと思うしかない、この気持ちをなんと呼べばいいんだろう・・。









< 100 / 296 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop