花には水を
大きな声で私の名前を呼ぶ。
その、まだ整っていない声がぐっと私の心を引き寄せる。
逸していた目線を木立連へと向ける。
真っ直ぐとのびる彼の視線と交わった瞬間、時間が止まったように周りの音が聞こえなくなった。
ただただ彼からの声だけが私の耳を通り脳へと伝わる。
「・・・話が・・・あるんです」
どくんと、ぐっと・・・掴まれた感覚が心臓を刺激する。
なんの話?
言葉に出そうとしても、声にならない。
ただ、無意識のうちにうなづいていた。
木立連の側にいられるなら、・・・なんでもいいと思った。