花には水を






「色々お世話になりました。ありがとうございました」



笑顔で看護師さんに挨拶をする聖夜兄の後ろで私は小さく頭を下げた。



「いえいえ、お大事になさってください」



それに返すように看護師さんも笑って答えた。



きっとこの看護師さん聖夜兄にときめいてるな…。



頬が少し紅潮しているし、私と話す時より声の高さが上がってる。







なんていうか…。





この兄さんは…。




私はため息を着くと、まだ話をしている聖夜兄の服を掴んだ。



驚いたように振り向いた聖夜兄。



私は真面目な顔をして早く帰ろうと、訴えた。






早く帰って連から何か来てるか見たい。




早く知りたい。




すると私の考えが分かったのか、看護師さんに会釈して車の方へと足を動かした。






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