花には水を



星夜兄の車に私たちは乗ると、そのまま病院を後にする。



無言で車を運転する星夜兄に、私も黙ってサイドガラスから流れる町並みを見ていた。




と、さっきまで黙っていた星夜兄の口が開いた。




「お前、そんなに気になるのか?」



私は、窓から聖夜兄に顔を向ける。



「…何を?」




「メッシュくんのメール。気になってんだろ」



それは…そうだよ。



連からのメールは…とっても気になる。




なんて書かれてるんだろう。




って、もうそれだけで胸がいっぱいいっぱいになる…。




「好きなんだろ」


前をむいたまま、突然そう言った聖夜兄の言葉に私は、焦ったように「え?」と小さく声を漏らした。



ふっと小さく息を漏らす音が聞こえる。




「付き合ってんのか?それとも、両想い止まり?」




ずいずいと踏み込んでくるな…。




< 172 / 296 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop