花には水を
「…だれ…?」
彼女たちの声が聞こえる。
連は、私を抱きしめたまま彼女たちをみた。
「俺達…こういう関係なんです。だから二人は先輩方の思っている関係なんかじゃないですよ。彼女にとって瑞穂先輩は…信頼出来る友人で、瑞穂先輩にとっても彼女は信頼できる友人。ただ…そういう関係なだけですから」
そういう連の口ぶりはどこか、自分に言い聞かせているようにも思えた。
「そういう事なんで、彼女は俺が連れて行きますから」
抱きしめられていた体が離されると、連は腕を掴んで歩き出した。
無言のままで、連の私を掴む手だけが妙に強く感じる。
「れ…「灯!!」
連の名前を呼ぼうとしたとき、私を呼ぶ瑞穂の声が聞こえた。
その瑞穂の姿は連に隠れて見えないけれど、荒い息遣いだけは聞こえる。
走ってきた。
そう思わせるのには余りにも大きかった。