花には水を
瑞穂。
そう名前を呼ぼうとした私に、連は立ち止まると私から手を離した。
「瑞穂先輩、彼女を苦しめないで下さい」
静かな時間。
なんだか、私たちのいるここだけ異様に違って見える。
連の、発言に私は何も言えなかった。
どうすればいいのか、分からなかった。
「…それは、俺が言いたいことなんだけど」
いつの間にか、瑞穂の呼吸は静かになっていて微かに連の間から見える瑞穂の表情は真剣だった。
こんな真剣な表情は、見たことがない。
サッカーをしている表情はもっと、にじみ出る楽しさがあるのだけど。
この表情は何処か儚気に見える。
「…貴方のせいで、彼女は…」
怒ってるの?連。
私のために?
まさか…。
でも、声…震えてる…。
「それは、すげぇー悪いと思ってる。灯に俺の事で変に嫌な思いさせたって。マジで、ごめん。灯、ごめん」