花には水を



瑞穂がいなくなった後も、連はずっと無言でその場に立っていた。



「連?」



声をかけても、振り向いてはくれない。



目線を連の背中からずらすと彼の拳が静かに震えているのが見えた。



「…連?れ…」



近づいて、背中に指先が触れた。



そのあと私の体はすぐに連に抱きしめられていた。





「え、連?どうしたの?」




そう何度も聞くけど連は私を離すどころか更に強く腕に力を入れた。



「…不安で!」



急に言い出したその声は震えて何かを抑えるよう。




「俺…もうどうしようって、考えても思っても、やっぱ何も良い案が浮かんでこなくって…。でも、このままは絶対嫌で…先輩にメールしたけど返信返って来ないし焦って」






「待つって言ったのに、待ってようって思ったのに。このまま伝えられないのは、嫌だったんだ。だから、先輩の教室までいったんだけどいないし。他の人に聞いた瑞穂先輩絡みで連れてかれたって聞いてさ」




じわじわと体温が上がってく気がする。




二人の熱が交わってまた熱を出してる。







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