花には水を



次の日になっても、俺は答えを出すことができなかった。



母さんに風邪を引いたみたいだから休むとだけ伝えると、また自分の部屋へ戻る。




弱い自分に、どうやったら勝てるんだろう?



こんな事をしていても、俺は勝てるわけなんてないんだ。




分かってる。



分かってるのに…。






重々しいため息をついて俺は寝転がっていたベッドから起き上がると、戸棚の中からアルバムを取り出した。




何故いま、このアルバムをひらいたのか。




教えて欲しかったのかな。




どうすれば、いいのか…。







綺麗な黒髪をサイドにひとくくりにして優しそうに微笑んでいる女の人。




その隣で、目を細めて笑う男の人。






写真の中のふたりは、とても幸せそうで。




不幸なんて微塵も感じさせないように、美しく微笑んでいた。






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