花には水を



私もつられてちいさな望遠鏡を覗く。




私の好きな星座。




北極星が、望遠鏡越しに綺麗な光を放っていた。









「父さん・・・」




すっと風に流された言葉。



校舎の外、雪に染まった白い地面に靴の跡をつけながら歩く。


ズレたスクールバックを肩に掛け直す。





校門を出かけたとき、私の目の前は大きく揺れた。







雪の上に、尻餅をつく。



じんじんと痛い。





「あ、すんません」



上から聞こえてきた声と、差し出される手を無視して一人立ち上がる。





はぁ、ついてない。










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