ツンデレ美女の恋愛事情～新・素敵すぎる上司～

「だから佐久間さんには少し厳しくしたいと思う。杉下、おまえにそれが出来るか？」

「それはまあ、出来ると思いますけど…」

「いいや、おまえには無理だ。そんなにデレデレしてたんじゃな」

「デレデレなんて…」

「してるだろ？」

「えっと…してます」

「だから俺が教える。ビシビシとな」

「はあ…」

「佐久間さんも、それでいいかな？」

杉下さんは肩を落としてうなだれ、阿部さんのキツイ視線が杉下さんから私へ移った。

「はい、望むところです」

それは私の本心だった。
杉下さんから迫られながら、チンタラ仕事を覚えるよりも、意地悪そうだけど、阿部さんから厳しく教えてもらって早く一人前になった方がいいと思った。

「ほお…大した意気込みだな。その意気で頑張ってくれ」

「はい、そうします」

私は阿部さんの冷たく光る目を、真っ直ぐ見据えてそう言った。