ツンデレ美女の恋愛事情~新・素敵すぎる上司~
「あ、ごめん。熱はなさそうだな」

オデコに触れたのは、阿部さんの手の平だった。

阿部さんに触れられたと思うとますますドキドキが激しくなり、息がうまく出来ずに苦しくなってきた。

私、どうしたんだろう?
何かの病気?

とにかく落ち着かなくちゃ。
私はゆっくり深呼吸を繰り返した。

「佐久間さん、本当に大丈夫かい?」

「あ、はい。すみません。たぶん大丈夫だと思います」

「水を飲んだら?」

「そ、そうですね」

コップの冷たい水を口に含み、ゴクッと飲んでフーッと息を吐いたら、少し気分が落ち着いた気がした。

「どう?」

「はい。だいぶ落ち着いたみたいです」

顔を上げたら、私を心配そうに見つめる阿部さんと目が合い、私の心臓が大きくドキンと跳ねた。
< 66 / 210 >

この作品をシェア

pagetop