ひまわり
それからは
さっきまで九条くんのことを
考えていたなんて嘘のように
慧のことで頭がいっぱいだった
あたしは慧と会うため
窓から慧の部屋を眺めていた
一軒家の隣同士、
お互いの窓から窓までは
30センチくらいしかない
小さい頃あたしは
怖い夢を見るたびに
慧に頭をぽんぽんしてもらってた
いつからか寝る前に
"おやすみ"を言って
ぽんぽんをしてもらうのが
二人の日課になっていた
だから慧を待つ
慧の笑顔がみたい