彼女の日記〜きみを忘れない〜


「泣かしたの?もう・・。ちゃんと大事にしてあげてね。」


明らかに勘違いをしている。


「違います!私、そんなんじゃないですから・・・。」


幸恵の声は、電車の近づく音で消される。
ゆっくりと、踏み切りの棒が降りる。


「気を付けて。」


そう言って、開いたドアから電車の中へ入っていった。



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