「好きになるはずなかったのに」
このビルは古いもので

その名もスマイルビル。

よくある時代の爪後だが、

そのビルの名前を口にするのがとっても怖い。


場所が分からない!と、電話が来ても絶対にの名前は出さずに

「タピオカドリンクのお店の向かいのビルです」

と応えるのが常。


その名前を口にする為には、自分もスマイルでないといけない気がするのだ。



そんな義務感に襲われながらも、

このビルの3階とは、いいお付き合いをして

早5年目を迎え、軽くアニバーサリーの気分だ。








< 35 / 54 >

この作品をシェア

pagetop