あたしの彼氏は歳上さん。
~1st出会い~


どうしてだろう…。
こんな雨の日に、しかも台風という日に自転車に乗って、あのくそ兄貴に傘を届けないといけないんだろう…。

水溜まりの上を通るたびに足に水がかかってくる。
憂鬱に思いながらも無事に傘を届けた。
あの兄貴はくそ以下だ!ずぶ濡れになりながら届けたのに「ありがとう」の一つも無しとか…
あの人は昔から変だ自分が1番だと思ってる。
確かにスポーツも勉強も昔から凄かった。
あたしだって色々頑張った。
でもやっぱし兄貴と比べられて駄目だと言われ続けた。
悔しかった時もあったけど、親は兄貴しか心配しないせいか自由に何でもできて、それなりに楽しかった。高校に入って友達も出来て毎日が幸せだった。
「痛--」
ただ今日という日はついてなかった。
家に帰ろうとして交差点を曲がろうとした時、丁度車も曲がろうとしてた。その横をあたしが通ったせいで車は大きな水溜まりの上を走った。
勿論横を通っていたわけだから水しぶきのようにあたしにかかった。
その勢いであたしは自転車ごと転んでしまった。
「大丈夫?ごめん」
車の主が降りて来た。私は少し恥ずかしくなった。
焦って顔も見ずに立ち上がった。
「でも、君ずぶ濡れ…。俺ん家すぐそこだから寄って。」
そう言った彼は顔の筋が通っていて身長も高かった。
「いえ!本当に大丈夫です。濡れてるのはもともとだし…」
「でも水かけちゃったし…。じゃあ暖かい飲み物だけでも飲んで行って!じゃないと俺も嫌だし」
拗ねた少年のように言われた。
その後も少し話をしたが彼の押し勝ちで私は彼の家に行った。

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