JUNKETU ～首筋にkissの花～

２

意味が分からない｡

というか…理解に苦しむといった感じか…




「今､人狼族は大きく割れてしまっているのです｡私の様な《純血》は同族交配で子孫を残す事が決められています｡その方が力の強いモノを遺せますから…」



ソレは多分俺達バンパイアも同じだろう｡

だからこそオフクロは自分の寿命が極端に縮む事を覚悟して俺を産んだのだから…



「《混血》の人狼はただ子孫を残す為に女性を襲います｡この場合は強姦が正しいですかね…」


「随分と野蛮なんだな､人狼って…」


「全てではありませんよ」



心外だと溢して､アルはまた話し出した｡




「昨日､彼女から美味しそうな匂いがすると忠告しましたよね…」


「あぁ…」


「純血の私がソウ感じるのですから混血の連中には涎が出る程の品なんですよ…彼女は」




どう答えたらイイのだろうか…


旨そうな匂いがするのは同感なのだけど､アルの言う事の意図がまだ読めずにいる｡




「狙われているんですよ…彼女は｡体も胎内も｡命を繋ぐ為に､生命を繋ぐ為にね｡」


「ソレはどういう…」


「単刀直入に言うと､彼女は常に危険な状態です｡彼女の体を欲しがるモノがごまんといます｡彼女の匂いは元々から強かった｡けれど更に強くなったのは…アナタ､ハルが原因です｡」


「俺の？なんで…」



キラキラの金色の目は全てを見ていたみたいに感じさせる｡




「彼女を覚醒させたのはハルです｡そしてハル…アナタが覚醒する鍵を握るのも彼女です」


「覚醒ねぇ…」


「はい｡覚醒すればハルはハルではなくなるでしょう…｡」



「何…ソレ？どっかのヒーロー漫画みてぇ！」



ケラケラと笑いながらいぶかしげにアルを見ていると学校のチャイムが鳴った｡