ゴスロリ彼女のキスの味


「でも、どうして零がゴスロリ女に間違われないといけないんだ?」

 理不尽な立場にさらされたゼロに代わり、苛立ちを抑えて訊く。


「あのね、ゴスロリ女に追われて、学校の体育館の裏に逃げたら転んで気を失ってしまったらしいの」


「零は頭を打ったのか?」


「そんなに心配しなくても大丈夫よ。頭にはコブもできてなかったから」


「内出血を起こしてるんじゃ……」


「田中君は心配性だな」

 倉吉は唇に手を当てて笑う。


「ほんとに大丈夫かな……」

 おれが金庫室の方へ視線を向けると、ゼロが寝返りを打って顔を見せてくれた。気持ち良さそうに眠っている。

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