ゴスロリ彼女のキスの味


「やっぱりちゃんと説明しないとわからないのね。カマキリ先生のこと覚えてるかしら?」


「カマキリ先生?」


「小学校4年生のときから私は田中君と一緒の街に住んでいて、クラスは違ったけど同じ北郷小学校だったのよ」


「それがどうしたってんだよ」

 倉吉が同じ小学校だった事実の驚きを隠して受け流す。


「田中君が5年生のとき、クラスの担任は異常に神経質で顔がカマキリに似ていたんだけど、本当に覚えてないの?」

 倉吉が首を捻る。


「覚えてない……な」

 4月から夏休みまで担任だった先生の存在自体は記憶にあるが、名前と顔は白い霧に包まれたまま。

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