ゴスロリ彼女のキスの味


「私にはあなたたちを殺す権利があるのよ」

 倉吉がキリッと引き締まった顔で揺ぎない決意を口にした。


「おまえ……おかしいぞ」

 もっとひどい言葉が出そうになったが、理性がなんとか制御して下劣な言葉を呑み込んだ。


「あなたたちの方がおかしいのよ」

 おれの気持ちなど微塵も通じずに倉吉はゼロの髪の毛を引っ張り、上半身を無理やり起こすと首に果物ナイフの刃をピタリと付けた。


 ゼロは喉を逸らせ、少しでも果物ナイフから離れようとする。

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