ゴスロリ彼女のキスの味


「わかった。おれはおまえの言うことを何でも聞いてやるから、零を傷つけるのはやめてくれないか?」

 現状でできる精一杯の妥協案を提示した。


「本当に?」と、倉吉は大袈裟に目を大きく広げ、「もし逃げようとしたら蜜姫さんの頚動脈をスパッと切るわよ」と付け加える。


「わかったよ」

 折れてはみたが、内心は何を求められるのか戦々恐々。


「じゃあ、私にキスしてぇ……」

 倉吉は語尾に色っぽい響きを残して条件を言う。


「おまえ、おれを殺したいんだろ?どうしてキスしないといけないんだ?」

< 203 / 333 >

この作品をシェア

pagetop