Cygnus
「山崎ロック。」
酒を注文してカウンター席に座る


すぐに
隣に女が座った


「お待ちしてました。」

煙草と酒の匂いの中で
唯一鼻をくすぐる花の香

強すぎず弱すぎず

彼女の存在を証明するような
甘く優しい香り


「どうも。」


軽く挨拶を交わして
酒を手に取った

「ハイボールを。」


バーテンに酒を注文する彼女の声に
不意に胸が鳴った


キレイに水滴の拭かれたグラスを持つ
細い指先

爪はキレイに手入れされていて
小さな宝石が輝いている


「乾杯♪」

小首をかしげて
頬笑みグラスを口に運ぶ


そして
酒を飲むたびに
彼女の細い首の
小さな喉が上下する姿に

俺の中に
熱いものが込み上げた
< 100 / 255 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop