Cygnus
「怖い顔してたけどなんかあった?」


「は…?


……別に、何にもない。」



言えるわけないだろ



誰に言えたって

芳史にだけは言えない



『俺も彼女が好きだ。』



なんて…





だって

お前は

俺の親友なんだから


「…そう。

じゃ、図書館行って帰るから。

また明日。」


俺の返事にしぶしぶ納得した様子で
芳史は本を片手に部屋を出て行った




「おう。
彼女によろしく。」



ひらひらと手を振って見送り

ドアが完全に閉まった瞬間に

机に
突っ伏した
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