Cygnus
「あ。」


早川君がこちらに気づいて
私を見る


その瞬間

河野先輩も早川君を見たのか

先輩の背中が

ビクッ!!

と大きく震えたのがわかった



「こんばんは。」


軽く会釈をして
通り過ぎていく彼


きっと
私が先輩といるのを見て
気を遣ってくれたんだ…



早川君が
マンションの中に入って行く姿を

先輩は
瞬きもせずに
見開いた目で追っていた




その顔に
さっきまでの笑顔は無く


信じられないのもを見たように
固まっていた
< 70 / 255 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop