Cygnus
女が居なくなったころ


「嫌な笑顔…。」


後ろから聞こえるだるそうな声


「うるせえ。」

「もう、自分作るのやめたら?
そんな文孝見飽きたんだけど。」

好きかって言って
そのまま俺の隣を並んで歩く芳史



俺は
昔から皮をかぶって生きてきた


幸い容姿には恵まれたみたいで
後は
勉強してちょっといい成績取って

偉い人に愛想振り撒く




気がついたら

結構有名になってた





でも

芳史だけは

そんな俺の本性を知っている


「処世術だから仕方ないんだよ。」


「また難しい言葉並べて…。
作り物の文孝を好きになる女の子が可哀想。」


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