先輩、好きです!
「…な、なん、で……?」
「ん?」
「なんで、私が……コンテスト、で、悩ん、でるって……?」
「あ、そんな事?」
先輩はにやりとして、
「そんなん見てればわかるよ。
アンサンブルのメンバーが
先輩ばっかで、プレッシャー感じてたんでしょう?」
こくこくと私がうなずくと、
先輩はため息をつきました。
「そんなに思いつめなくても。
君、目付きとかやばかったよ。
いつも顔しかめてさ。
前のアホ面はどうしたって感じ」
「アホ………?」
「君いっつも
ニヤニヤしてたでしょ。
あの顔面白くて好きだったよ」
な……なんということでしょう。
先輩は私のこと、
アウトオブ眼中ではなかったようです。