先輩、好きです!

「…な、なん、で……?」


「ん?」


「なんで、私が……コンテスト、で、悩ん、でるって……?」


「あ、そんな事?」


先輩はにやりとして、


「そんなん見てればわかるよ。
アンサンブルのメンバーが
先輩ばっかで、プレッシャー感じてたんでしょう?」


こくこくと私がうなずくと、
先輩はため息をつきました。


「そんなに思いつめなくても。
君、目付きとかやばかったよ。
いつも顔しかめてさ。
前のアホ面はどうしたって感じ」


「アホ………?」


「君いっつも
ニヤニヤしてたでしょ。
あの顔面白くて好きだったよ」


な……なんということでしょう。


先輩は私のこと、
アウトオブ眼中ではなかったようです。




< 12 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop