先輩、好きです!
コンテスト本番。
ステージの上でのことは
あまり覚えていませんが、
先輩の顔が、声が、
頭をぐるぐる回って、
私は先輩がすぐ隣にいるような、そんな気がして、
リラックスして演奏する事が
出来ました。
「よく頑張ったね。」
トロンボーンの先輩が、
本番のあと、私に話しかけてきました。
「プレッシャーとか、やばかったでしょう。あいつが言ってた」
「え、先輩がですか」
「うん。あいつ、けっこうあなたのこと気に掛けてたよ」
「え………」
私の顔は
みるみる赤くなりました。
「先輩………会いたい……です」
気付けば私は
そう呟いていました。