学園(姫)

家庭科

翌日。

眠れなかったという事はないが、今は胸の気持ちが高ぶっている。

龍先輩が料理を作ってくれるために家に訪問してくれるのだ。

しかし、家には吟ネエがいる。

吟ネエの家でもあるのだから、居て当たり前だ。

当たり前だし、助けてくれたりもした。

しかし、いつもなら出かけているのに、今日に限っているのは何でだろうか。

でも、龍先輩の料理を食べられる権利は俺だけの物なんていう事もない。

一緒に食べるのなら、それでいい。

時間にしては、後20分程度で家に来る。

「さてと」

昨日の晩の内に掃除をしておいてよかった。

変に慌しくなっても、面倒なだけだしな。

身なりと整えて、一階に降りる。

「おはようございます」

リビングでは、渚さんがコーヒーを飲みながらテレビを見ていた。

家事全般は全てこなしたようだ。

「何か、食べます?」

俺のほうに向いて、上目遣いで聞いて来る。

すごく、美人だなと毎回思う。

龍先輩と出会う前で渚さんが結婚してなかったら、絶対に口説いてただろうなと思う。

「ああ、大丈夫です」

「あら、そうなんですか?」

「渚さんのご飯もいっぱい食べたいところなんですけど、今日はちょっと食べる予定がありまして」

「ふふ、丞さんも青春、してますね」

全て、見透かされてしまっているようだ。
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