負けたくない。
「ちょっとちょっと・・・」

私は必死に朔を止めにかかった。


だが、朔の好奇心はすごかった。

どんどん先に進んでいく。

私は重い足取りを我慢して、朔を追いかけた。



「あ」
朔が急に声を上げた。

「げっ」
私も声を上げた。


そこにはいつも通り、女子に囲まれた先生の姿が。

女子生徒たちは、押して押されて、まるで、バーゲンにでも来てる様で、とにかく顔が怖かった。

女子って怖い。



あ、私も女子じゃんか。


「あ~あ、これじゃあ近づけないね」
私は朔に言った。

残念そうに言ったけど、内心嬉しかった。


朔はつまらなそうに口を尖らせた。
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