王子とカメ子
「…じゃ、和音先生は
あっちで漫画を読んでいますので、分からなかったら来てネ」
そう言って
和音ちゃんは漫画コーナーに行っちゃった。
…???
王子と一緒にいたいんじゃ無いの?
"ガタッ"
王子が隣に座った。
「………。」
ドキドキは
こんなに落ち込んだ気分の時にもしちゃうんだなぁ…
王子、ドキドキだけさせてね?
きっとすぐに
ただの先輩
って思えるようにするから。
ドキドキしながら
英語のワークに集中しようとしていると、
「…英語かぁ。じゃ、俺も。」
王子が私の手元を覗き込んできた。
びっくりした…
キュンてなって
心臓潰れちゃうかと思った。
英語を鞄から取り出している王子を"ぽー"っと見ていると
パチッと目があって
「ん?どうしたの?」
って優しい目をした。
だめなんだってば
王子はもぅ
何してもかっこいい。