らぶCALL(仮)
ぷっくりと頬をふくらませながら早歩きで昇降口に向かう。
「李夜せんぱーい。 怒ンなぃで??」
「触った空羅が悪いんぢゃん!!」
ご機嫌ナナメの私にまだ後ろからついてくる空羅。
私は早足で歩いてるのに、空羅はなんともないような感じでついてくる。
ぁたしって空羅より足短いッ??
‥‥でもさっ!!
空羅はぁたしより背高いんだから当たり前だょねっ!?!?
そう自分の中で納得して…ただの言い訳だけど。
足の速度はゆるめない。
昇降口を通り抜けて、教室に戻ろうと上履きに履き変える。
「ぁたし教室戻るしッ」
振り返り、後ろにいる空羅にそう言って立ち去ろうとした瞬間……――
「ごめん…って…」
………なに??
えっ……
ナンデスカ…?
私、今なに状態!?
どゆ状況!?!?
「李夜……俺、悪かった…許して」
2度目に発せられた空羅の声で抱き締められてるんだと、我に返る。
と、同時に、
ビクッ……
急に甘くなった空羅の声に、体が脳より先に反応する。
「空羅…」
「な、許して…―??」
上目遣いで私を抱き締めたまま聞いてくる。
甘く、甘く。
明るい茶色のやわらかそうな髪
吸い込まれそうなほどキレイで茶色がかった瞳
薄くちょっと赤い唇
………みんなみんな、こんな空羅に惚れてるンだ……――――
間近で聞く、空羅の、甘い…甘い声。
「空羅……―」