空の向こう側

「っ…!」俺は何も言えなくなった。



「貴方は、沙羅様にとって、初めての友達であり…恋をした相手。

だから迷惑は勿論、そんな姿を見せたくないんですよ。分かってください。」



「…。」



あまりに理解出来なくて



俺は力無く環から手を離す。


環は、「失礼します。」と告げて




どこかへ去って行った。




「夏…。」



克也の声に、反応する気力も湧かない。




無理なんだ、もう




何もかも、遅かったんだ




「夏、まさか…さっきの話に従うつもりじゃないだろうな?」





< 230 / 288 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop