空の向こう側

沙羅は嬉しそうに言った。



きっと、覚えていた事が嬉しいんだ




「被せてやるよ、沙羅。」



俺が手を差し出すと、沙羅は花冠を俺に渡す。



白色の花が、鮮やかに光って見えた。




「沙羅。」


沙羅は首を傾げる。



俺は克也の言葉をもう一度頭に浮かばせた。



もう迷わない




「沙羅の事が好きだ。」




俺は花冠を沙羅に被せた。





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