空の向こう側

「えっ?」


沙羅は信じられないのか、目をパチクリさせる。



「姫とか病気とか関係無い。俺は、お前自身に惹かれたんだ。」



「っ…夏!!」


沙羅が抱きついてきたのを、俺は背中に腕を回す。


耳元から、沙羅の嗚咽が聞こえてきた。




やっと、やっと手に入れた





俺の一番大切な人ーーー





「沙羅。」


俺は少し体を離す。


沙羅は涙を流しながら、俺を見詰めた。




「愛してる。」




唇が、重なった。






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