傷だらけのヴィーナス
―――その後、私たちは前菜やパスタを楽しんだ。
初めて飲むノンアルコールカクテルは、甘みがあっておいしかった。
食事の締めとしていつの間にかデザートまで頼んでくれていたらしく、ジェラートがテーブルに並んだ。
「有紗ちゃん、お腹いっぱい?」
そう尋ねてきた主任に、私ははにかみながらも頷いた。
それを見た主任もまた満足げだった。
「ねぇ、有紗ちゃん」
「はい?」
ジェラートも食べ終わった頃、間部主任は急に真剣な声色で私を呼ぶ。
「俺とつきあってよ」