きいろい青空【完】



その瞳に馬乗りになって叫ぶ。



「お前に言われる筋合いねぇーんだよっ!!うちが好きなのは、颯なんだよ!わかるか!?颯だけなんだよっっ!!」




「花恋さん!!落ち着いて」



気付いた先生達が廊下から走って来た。



クラスの奴も騒いでいる。



野次馬が群がってきた。




「花恋さん!離しなさい!!」



うちの腕をつかみ、無理矢理離す先生。



うちは自分で自分が抑えられなかった。




近くにあったイスや机を蹴り飛ばす。




「落ち着いて!!」



必死に先生達は、うちを抑えようとしている。


それでも、うちは暴れ続けた……








気が付いたら、生徒指導室にいた。



前には担任が座っている。




「瞳さんは、すり傷程度で済んだそうだけど…なんでこんな事したんだ?」



「………」



沈黙が続く。



今は優しくしてくるけど、そのうちキレだすんだろうね。

先生ってのは。




「花恋、聞いてんのか?」



顔を覗いてきた担任。

タバコの匂いが鼻をさす。





「ムカついたんで、殴りましたぁ~。でも、瞳の奴がケンカ売ってきたんすよ?」


「でも、手出したのは花恋じゃねーか。人を叩いていいと思ってんのか!?」




ほら、キレ出した。


めんどくせぇ~…



「あーそうですね~」



「瞳に謝れ」




「はぁ?なんで!?あっちがいけねぇんだろーがっ!」



「謝れ!!」



怒鳴りだした担任。




「しゃーねぇ~な。さーせんねぇってか?ハハっ」



馬鹿らしくてつい笑ってしまった。




「花恋っ!!」



「うぜぇんだよ」



冷淡に言うと、立ち上がり生徒指導室を出た。



先生てのは、いじめられっ子の肩を持つんだ。


うちの話なんか全く聞いてくれない。




だから、嫌い。








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