きいろい青空【完】
「大丈夫だから。だから、そんな顔しないで?颯は知らないと思うけど、うちのパパもお星様なんだよ」
“死んだ”なんて言葉は使いたくない。
せめて…お星様がいい。
「えっ…?そうなんっ?知らなかった」
そうなんだ。
うちにパパはいない。
「うちが4才の時とき、病気で死んだの。すっごい優しいパパだったんだよ!」
「大好きだったんだな」
「颯もママが大好きなんだね!そんなに悲しんでるもん。でも、うちは悲しくないよ。颯もママも、直輝もつーちゃんも、美久も英斗もみーーんないるからね!!」
みんなに迷惑ばっかりかけてるけど、みんながいてくれているから。
だから、うちはいられるんだと思う。
颯はクスッと笑い、頭を優しくなでてくれた。
「俺の母さん…知りたい?」
「うんっ」
辺りを見渡して座れそうな場所を探す。
でも無くて、近くにあった石にしょうがなく座る。
そして、ゆっくりと話し始めた。
「俺が小5の時に家出をしたんだ。家にいるのが嫌になって、夜フラフラしてた。んで、母さんが俺を探しに行った時に事故ったわけ。すぐ運ばれたんだけど、だめだった…。“俺のせいで母さんは、死んだんだ”……」
その言葉が突き刺さる。
ずっと自分を責めてきたんだ、颯は。
「なのにな、親父は母さんが死ぬ時。違う女と遊んでて病院に来なかった…。浮気してたって事は、母さん気付いてたらしいけど。それから、俺は親父が許せねーし。親父も俺をウザがってるよ。俺のせいで、母さんは死ぬし、浮気女と結婚できないでいるからな。今も、寝に帰ってきてるって感じ」
「仲悪いの?」
「うん。話してねぇし、ただの同居人みてーな」
「そうなんだ…」
なんで、そんな悲しい顔でパパのこと話すの?
ほんとは…仲良くしたいんじゃないの?