きいろい青空【完】



何も考えないようにし、ただがむしゃらに宿題を進めた。




もう1時間が経っている。



だから、大丈夫かな…?




ゆっくりゆっくり階段を下りた。





あれ……。




気付くと、ソファに花恋が眠っていた。



風呂に入りたてで、髪は濡れて、シャンプーのいい匂いがする。




寝顔がかわいいと思ってしまう…




俺は、自分の部屋に行き、タオルケットを持ってきた。


そして寝ている花恋にそっとかける。





その時、やってはいけない事を思ってしまった。



ダメだとわかっているのに、俺の手は寝ている花恋ヘ伸びる。




俺の手は花恋のTシャツをゆっくりとめくった。




ほら。




花恋のお腹に、アザがあった。



小さいけど青くなっている。




俺は一歩下がって全体的に花恋を見た。



そしたら、脚にも複数アザがある。




さっき見ちゃったんだよね…。




風呂のハプニングの時。





体中にアザや傷があったのを。




どうしたの?

誰に?

なんで…?





「♪〜♪〜」



いきなりの音に、びっくりし体がはねた。




隣のテーブルに置いてある花恋のケータイが鳴っている。




その音はすぐに消えたから、メールだと思う。





俺の手はまた伸びる。




だめ!!だめだよ!!!


……そう思っているのに。




自分で自分の言うことが聞けなくて。




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