きいろい青空【完】

花恋*





こんなに寒い朝に、朝会とか…


やってらんない!



校長が壇上に上がった。


早く喋って、さっさと終わりにしてほしい。





「静かにきいてください」



どうしたの。




やけに真剣な顔しちゃってさ。





「昨夜。3年C組の楠木颯さんが、交通事故にあいました」






………は?



何言っちゃってんの、このオッサンは。



って…ヤバい。



どうせ嘘に決まっている話なのに…


なぜか足が震える…






「昨日、手術をしたようでまだ意識が回復してないようです」




嫌っっ!!



何も聞きたくないよ!!



うちは、耳をふさいだ。



なに?

意味が分からない…




きのう会ったばっかだよ?


“また明日な”って言ってたんだよ?




明日になれば、会えるってことじゃん。


だから、絶対に今日会えるの!




そうでしょう?

颯。





「花恋?大丈夫?」



美久が声をかけてくれた。




いつの間にか朝会は終わっていて、みんなは帰っていた。




「だ、大丈夫だから…」




「いや、大丈夫じゃないよ!顔色悪いし…保健室行こう?」




美久に支えてもらいながら、保健室に行った。




保健室には誰もいなかった。




「あ、今日出張で居ないんだった。でも、担任には私が話しとくからね。じゃあ、また休み時間来るね」





と、美久は言い残し保健室を後にした。





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