きいろい青空【完】
なにがなんでも



次の日、ママと学校に来た。



まったく不安なんてものは無かったし、恐怖もない。



「失礼します」


ママがそう言いながら、校長室のドアのノックした。



「どうぞ。お入りください」


低い声が聞こえ、ふたりで中に入った。



校長室に初めて入ったけど、高級そうな物ばかりあるのが目に付く。




「あ~どうもどうも。こちらに、座ってください」



校長はソファに案内する。


頭をペコペコ上下にしながら。




「はい。失礼します」



ママと一緒に高級そうなソファに座った。




って……うわっ…。



目の前には、コノ校長。



コイツ嫌いなんだよなぁ~…




「単刀直入に言いますと…」



おいおい!!


そんないきなり言うんかいっ!


と心の中でひとりツッコミ。



言う結果は分かっているから、なるべくゆっくり言ってほしいが…



「花恋さんは、退学処分という結果になりました」



「……はい」



細い声でママが返事をした。


ママ、悲しいのかな…?


それとも…怒っているのかな…?




でも…やっぱり“ごめんなさい”しかないよ…。




「林君は、怪我もないですし、ご家族もご理解していただきました」



ママはいきなり立ち上がり深々と頭を下げた。



「大変、ご迷惑をおかけしました。すいませんでした」



その声は震えているような気がした。



そんなママを隣で見ていて、自然にうちも立って頭を下げる。





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