きいろい青空【完】





「颯を愛していたうちが、他の男に“愛してる”なんて言った怒っちゃうじゃん?颯を忘れちゃいそうで…なんか怖い…し」



-----颯がいなくても。



うちは生きていかなければならない。



颯と愛し合っていた時を、思い出とし、違う誰かと愛し生きなければならない。





「大丈夫だよ」



美久の声は、すごくすごく優しかった。



「花恋が誰かを愛すこと、許してくれるよ。颯さんは優しいもん。花恋の幸せだけを願っているんじゃないのかなぁ…」



「うん…」




空を見上げた。




青空と夕陽-----。



青空の颯と、夕陽の直輝。




いいの…?


ねぇ…颯。



誰かを愛すこと。




「花恋。素直になりなよ?」



「わかったよ…」




“きいろい青空”はどこまでも続いていた。



あいつも…見ているかな?




そう思いながら、いつまでもいつまでも…

眺めていた-----





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