きいろい青空【完】



そこには校長と…直輝が話しているのが見える。



直輝はすごく焦った様子で。




そして。



え…?


何してんの…?



直輝。




「お願いです!花恋の退学を取り消して下さい!お願いしますっ!!」



直輝は土下座をした…。




『お願いしますっ!!』の言葉で、頭を地につける。



しかし、校長は面倒くさいといった顔で車に乗り込んだ。


直輝を取り残したまま、発進し行ってしまった。





そのまましばらく直輝は立てないでいる。



土下座の姿勢のまま、強く握った拳を地面に一発叩きつけた。




なんで…?


どうして、土下座なんかしてるのっ…!?


直輝はバカだよ!




そう思いながら、前に向き直る。


家路を小走りで行く。



後ろを、絶対に絶対に振り向かないようにして…。



でも、歩くことが出来なくなって立ち止まりしゃがんだ。


膝をかかえる。




「あいつ…バカだょ…っ。もう…どうしてっ…?」



目からポロポロ涙がこぼれる。



なんで、土下座なんかしてんの!?



うちのために?




うちの…ために…。



もうやめてよ…!



また、からだの真ん中が。



ぎゅー…ってなったんだから----。




直輝のばか…。




うちを好きにさせたら、タダじゃおかないんだからぁ……







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