きいろい青空【完】
直輝*
ただ、休み時間は3人で過ごした。
英斗、美久。
それと俺。
ただ一緒にいるだけで、話すこともない。
花恋のいない時間を過ごしていた。
また、そんな静かな休み時間に。
「直輝!廊下の紙、見たか!?」
クラスの男子が慌てた様子で、教室の入り口で言った。
そんな奴に、『?』の顔を見せ振り向いた。
「どうしたの?」
「早く、見て見ろよ!!」
と手招きをしている。
「俺も行く」
「じゃあ私も!」
俺達、3人は席を立った。
廊下に出てみると、ある一カ所に人が集まっている。
何かの張り紙…だろうか?
みんなは壁に貼ってある紙に目を向けている。
「ちょっとゴメン」
人混みをかきわけ、張り紙の前まで来ると、目を見開いた。
「え……。なんだよ、これ…」
俺は、口をポカーンと開け、立ち尽くした。
「マジ…かよ……?」
隣の英斗も驚いて、それしか言えない。
「どうして…」
美久なんか目に涙を浮かべ始めて。
【1年7組 姫野花恋を退学処分とする】
と記された、張り紙が確かに貼ってある。
嘘ではない。
嘘…ではないんだ…。
「なんで…っ?どうすれば…花恋が…」
声を震えながら、美久が問いかける。
「でも、俺らには…何もできなくね…?」
と英斗が俯いて答える。