きいろい青空【完】
直輝*
「ただいま~」
花恋の声。
てか、俺の家に入ってきてただいまって…
「直輝ー!!聞いてよ!!」
家に花恋の声が響く。
バタバタと走ってきて、俺が見ていたテレビの前に立った。
思いっきり見えないんだけど…
「なんと!なななななななななんと!!本日、チュウしてしまいました!!イエイっ!」
拍手を自分でしている花恋。
「あっそ、よかったね。付き合ってんだから普通じゃん」
そっけなく言った俺。
「何それーー。ムカツクーー!!」
花恋は家でなら、普通に喋ってくれる。
学校じゃすれ違いばっかりなのに。
「自慢話なんかいらないし。てかどいて。テレビ見えない」
「今日、ご機嫌わるいんですか?直輝さん」
ソファに寝っころがっている俺の顔を覗き込む花恋。
顔を近付かれて、ちょっとドキッとした。
「別に…悪くないもん」
悪いに決まってんじゃん。
キスしたんて情報ききたくないわ。
「本当に?てか、直輝って好きな人いないの?」
「は?」
びっくりして、勢いよく起き上がった。
ゴンッ。
「いってぇ~」
花恋とおでこがぶっついた。
おでこをさすっている花恋。