きいろい青空【完】
直輝*
やってきちゃったよ…海。
今年は、あんまりうれしくないかも。
でも見てよ!!
あの花恋の嬉しそうな顔。
あんなに、はしゃいじゃって。
英斗と2人で泳いじゃって。
僕はわざと、美久に砂浜で遊ぼうって言って
花恋と英斗を2人っきりにした。
そしたら、あの笑顔!
どんだけだよ!!
しかも…
「母さんたち、ちょっと買い出し行ってくるから。遊んでてね」
と。
だから、まさに今。
ふたりっきりってわけ。
美久と僕は、砂浜でお城を作っていた。
「花恋。たのしそーだね」
と、美久が砂をいじりながら呟いた。
「うん、そうだね」
だけど、美久は手を止め、すごい悲しそうな目で2人を見つめた。